沖縄に住んでるわけではないし、右とか左とか、そういう話でもないけども。

政治的な話になるので、本来的にはあんまり言及しないようにしていたけれど、ハクソーリッジを見たときに、感動というよりも違和感があった。実話を基にした映画だから、後半の舞台が沖縄の前田高地ということは当然だし、大体映画自体に文句をつけたいという意図はないのだけれど、あえて一旦そこから離れて、この映画を純粋に物語として分解してみると、これは別に舞台が沖縄である必然性はないかもしれないなと正直思った。ただ、自分の命を顧みない、手ごわい敵兵がうようよいれば、舞台は沖縄でなくても成り立つ気がした。実話なんで、そこに文句つけるのも、我ながらどうかと思うけれども。まあ、それは置いといても、確かに、世間で言われるように、戦争映画だけど、ジャップとか差別用語はそれほど言わないし、そもそも主人公の性格や信条的にも、戦争映画にありがちな敵兵に対する憎しみもほとんどなく、むしろある場面では積極的に助けるほどで、ほとんど価値中立的だった。でもなんか気になるのは、やっぱり民間人が一切出てこないこと。

映画を見たあとに、そこが気になって、YouTubeで見た体験談では、巻き込まれた民間人の方の話が出てきたのだけれど、前田高地にある先祖のお墓に隠れていたと。でも、そこを米兵が火炎放射器で日中ずっと焼いていたのだと言っていた。以下にリンク張っておきますので、ご参考までに。


戦後70年の地平から「前田高地の戦い」

この動画を見たときに、わたしはあまりにも沖縄戦に関して無知なんだなと思った。授業で習った沖縄戦って、どんな感じだったっけ?そもそも、昔、ひめゆりの塔とか行ったことあったなあと思ったのだけど、あまりにも他人事のような記憶しか出てこなかった。事実、わたしの家系には、沖縄に縁のある人は一人もいないので、沖縄戦の体験談を直接聞く機会がなかなかない。満州ならあったけど。でも、いたとしても、語りたくないという場合もあったかもしれないとも思う。推察するに、あまりに重すぎる体験だから。

とにもかくにも、左とか右とか関係なく、純粋に沖縄戦について知りたいと思った。上記のもの以外も、暇さえあれば、YouTubeでいくつか動画を見た。米国側の視点で作られたもの、民間人の視点で作られたもの、日本軍の視点で作られたもの、あとは沖縄戦はそもそも捨て石じゃなかったという動画も、左とか右とか関係なく、とにかく見た。それぞれに特色があって、ひとつの物を見てるのに、こんなにも見方が違うのかと驚いた。そして、ますます混乱した。沖縄戦とは、何だったのか。

動画だけでは限界を感じたので、まず、『失敗の本質』という有名な本の沖縄の部分も読んだ。この本は色々な読み方ができると思うけれど、わたしの場合は、沖縄本島の北側の飛行場が占拠されてしまったのがまずかったという知見が得られた。これは、少なくともわたしの見た動画には出ていなかった視点だった。

次に、Wikipediaで、牛島中将のページを読んだ。改めて、なかなかに評価の分かれる人だと思った。個人的に、一番不可解なのは、自決した日時などが諸説あること。そこで、佐藤優氏と故・大田昌秀氏の対談本(『沖縄は未来をどう生きるか』)を読んだ。ここでもやはり、諸説あることが、詳細に書かれている。わからないことはわからないままだったし、対談形式ではあるけれど、この本は沖縄の歴史がとてもよくわかるようになっていて、非常に興味深かった。何しろ、琉球処分前からの歴史も詳しく載っている。学校で習ったのは、本当に一部だけだったんだなと思った。個人的には、沖縄のことが知りたい人には、この本を一番最初に薦めたい。沖縄戦以外にも、なんと教育論にも使える。過疎の地域とかにも、役立つ事例が満載だし、あとは、本文中にも言及があったけれど、北方領土の返還交渉にも活きてくる。守備範囲すげえ。今の段階で、今年一番買って良かった本です。個人的には、お釣りがじゃらじゃら来てる。

最後に、まだ読んでいる途中だけれど、沖縄戦に従軍した米兵の息子さんが書いた洋書(BRINGING MULLIGAN HOME)も読んでいる。結構しんどい描写もある。なかなかページをめくる勇気が出ない日もある。でも、せっかく療養中で時間があるので、この本はぜひ読み終えたい。

もはや何を書きたいのか、話がとっ散らかりすぎて、申し訳ないことこの上ないけれど、ハクソーリッジから端を発し、沖縄戦をもっとわかるようになりたいなと思った。平和な時代しか知らないわたしには、今後この国がどうなっていくのが良いのか、何が正しいかまだまだ体感的にはわからないので、今年は沖縄戦のことを中心に勉強していきたい。そして、今は療養中で外出がなかなか難しいけれど、病気が良くなってきたら、もう一度沖縄に行きたい。多分、10年ぶりくらいかな?療養、頑張ります。